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『1917 / 命をかけた伝令』感想

1917 命をかけた伝令 (字幕版)

とにかく緻密な計算によるロングショット芸が楽しい。その「緻密な計算」の気配、イベントが組み込まれているかのように次々とドラマが発生する構成、絵になる画や現実離れした美しい映像などからも、『ゼルダ』を遊んでいる時のような感覚は強いけど、元々ゲームが好きな人間だからかそうした「ゲームっぽさ」は気にならなかったし、むしろ臨場感や没入感が凄まじく、地獄の世界にしっかり浸れた。見る前はドキュメントムービーのような映画かと思ってたんだけど、実はリアリティは重視しておらず幻想的に撮っていたのは意外で、私はそこも好き。あとワンカット映画だとは聞いてたけど「全編ワンカット」にはあまり価値を感じないし、「ワンカットに見せる工夫」の方に魅力を感じるタイプなので、そういう意味でも『1917』は楽しめました。見ていて『ダンケルク』を思い出したけど、そいやあの映画も好きなんだよね。

ところでクレジットにコリン・ファースの名前があったけど、まったく気づかなかった。我ながら鈍い。英国の名優がぞろぞろ出ているのも豪華だけど、そんな中で主役として危険な戦場をひた走るスコフィールドを演じたジョージ・マッケイがすんげえ良かったです(最初はブレイクが主人公だと思ってたから、中盤は驚いた)。

サム・メンデスは『アメリカン・ビューティー』も『レボリューショナリー・ロード』もかなり刺さったので、もしかしたら私には合うのかもしれない。