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『パンズ・ラビリンス』感想

パンズ・ラビリンス (字幕版)

キービジュアルの雰囲気からは好みの気配を感じたけど、あんまり乗れなかったな案外。ダークファンタジーを謳っているけど実は現実の存在感が強い作品で、それは別にいいけど大尉を中心としたリアルのドラマにはあまり興味を持てなかったんですよね。この時のスペインの時代背景を、私が理解できてないことも原因だとは思うけども。

オフェリアの現実逃避による幻想世界はグロテスクだったけど、それ以上にマチズモに傾倒するビダル大尉のキャラクター造形がどのモンスターよりもグロテスクで、少なくても私には空想を凌駕する存在に見えた。幼い少女が現実逃避によって作り上げた幻想は、あまりにも儚い。

そんな中でオフェリアが葡萄を食べるシーンが印象に残っているけど、食事を抜く罰を受けて空腹だったのだと分かってはいてもイラッと来た。その後パンに怒られた時も事故だと言い訳するから、更に印象が悪くなってしまった。あんまり好きな主人公ではなかったけど、それでもオフェリアが最後には幸せなまま死ねたのなら、それで良かったんじゃないかとも思っています。