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『IT / イット THE END "それ" が見えたら、終わり。』感想

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(字幕版)

前半から後半までは一人一人のエピソードを拾っていくのがまどろっこしいし冗長なところもあるんだけど、何故か長さは感じなかった。アラフォーになったルーザーズがみんな子供時代の面影が感じられる配役になってたり、一部のメンバーの掘り下げが入ったところも良かったな。ただ、クライマックスは肩透かし感が……。ここで盛り上がれなかったのは厳しい。惜しかった。それでも総合すると面白かったと思うし、前作よりは好き。ところで前作でも薄々感じてたことだけど、ペニーワイズは単なる構ってちゃんなのでは……。

今回特に面白かったのはリッチーの恐怖の正体で、前作ではいきなり「ピエロが怖い」とだけ言われてピンと来なかったけど、実はゲイだったことが分かってものすごく納得が行った。彼がついつい下ネタばかり言ってしまうのも後ろめたさから来ていたのかな、と思うと彼の必死な生き方に切なくなるんよね。それとベンの一途な恋が報われたのも良かった。大人になっても父親にそっくりな男と結婚して不幸になっていたベバリーがあんまりだったので、今度こそは二人で幸せになって欲しいやんな。一方でデリーに一人だけ残り、ペニーワイズの復活に備えて準備していたマイクの扱いがしょっぱいのは気になる。前作でも影が薄かったけど、今回は一番の功労者なのに微妙なキャラクターのままでもったいないよーな。

先述したクライマックスの不満に関しては、とにかくペニーワイズが弱体化していくところが単純に話の流れとしてよく分からなかったのと、何より罵倒によって弱体化していくところに歪んだものを感じてしまった。要するにルーザーズが散々されてきたことを、そのままそっくりペニーワイズにしているように見えてしまったんですよね。だから「こんな解決で良かったのか?」というモヤモヤした感情が今でもある。あと前作でも気になってたんだけど、いじめっ子のヘンリーがペニーワイズの操り人形と化したのがよく分からん。彼は引っ掻き回すけど文字通り引っ掻き回しただけで終わるので、ペニーワイズの意図が見えないんですよ。ペニーワイズって「人間の恐怖心を自分が食べる」ことが目的だと思ってたんだけど違ったん?