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『IT / イット "それ" が見えたら、終わり。』感想

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(字幕版)

「ハァイ、ジョージィ」と側溝から呼びかけてくるピエロの図しか知らなかったけど、実はホラーというかホラー要素のあるジュブナイル映画なのねこれ。同じスティーヴン・キング原作の『スタンド・バイ・ミー』の系譜を受け継ぐ夏の青春映画だった。主役である子供たちの周囲の大人が、ことごとく酷い人間ばかりなところも共通してるもんな。やな共通点だなもー。

しかしルーザーズ・クラブのメンバーが多いからかビル、リッチー、ベバリー、ベン以外はちょっと影が薄いので、人数をもっと絞っても良かった気がする。あとペニーワイズの仕掛ける恐怖は派手な演出が多く楽しいけど、余力を残したまますぐに引っ込んでしまう印象もあり、そこはちょっと物足りなかったな。本当に恐ろしいのは大人やいじめのほうだ、ということを伝えるためかもしれないけども。終盤に至っては画面が暗くて何が起きてるのか分かりづらかったのもあり、やっぱり序盤のジョージーが襲われる有名なシーンが一番面白かったです。土砂降りの雨と黄色のレインコートが印象的でいいんよね。しかしペニーワイズが各々にとっての恐怖を具現化する存在ということは、ビルにとっては弟のことが恐怖そのものになっていたということでもあり、それが遣る瀬無かった。

ところで邦題はもうちょいどうにかならなかったのか……。