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『マイ・フェア・レディ』感想

マイ・フェア・レディ (字幕版)

まさかミュージカル映画だとは思ってなかったので、最初に歌い出した時はびっくりした。しかも三時間もあるんよねこの映画。さすがにちょーっと長すぎる。一曲一曲が冗長だから余計に。しかし最後まで見ても、ミュージカルにする必要があるような作品だとはあんまり思えなかった。元々ミュージカルで上演されていた作品だそうだけど、映画化する際にミュージカルパートを全カットしても問題ないよーな。それならテンポの遅さも解決するし、もうちょい見やすい映画になったんじゃないかと思ってしまう。

一方、モノクロ衣装で無表情に歌い踊る貴族が見られる競馬場のシーンを始めとして、映像面で楽しませてもらえたところもある。オードリー・ヘプバーンだけでなく脇役に至るまで、衣装はどれも手抜きがなく目の保養でした。

一番面白かったのは、イライザの父親の人生の皮肉の効いた顛末かもしれない。娘に酒代をたかりながら生きてきたような男が、ヒギンズに会ったことで中産階級の身分にされ、今度は自分が他人に金を与えていくことになり、かと言って金を手離すのも怖いから出来ないでいる。そんな父親の嘆きが聞ける、後半の父娘の会話シーンがものすごく印象に残っています。

主要人物に関しては、ピカリング大佐はまだ優しいけどヒギンズ教授はだいぶミソジニーをこじらせたおっさんで、最後まで面倒な男のままだった。こんな男のどこがいいのか分からなかったけど、イライザ自身も分かってないんだろうな。むしろキレながら「好きになったんだから仕方ない」とか言われそうでもあります。さよかー。

ところで舞踏会の後、イライザがヒギンズに指輪を買ってもらったとか言ってたけどそんな大事なシーンあったっけ……。