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『クレイジー・リッチ!』感想

苦労して生きてきた主人公の彼氏が実は大富豪の御曹司だった、という懐かしいノリの作品で面白かった。シンデレラストーリーは恋も友情も悪意も何もかもがシンプルでいいな。一方で映像面のほうは、リッチなのに富豪の遊び方などの描写にはあまりそそられなかったものの、舞台になるシンガポールの観光映画としては魅力的だったと思います。いつか行ってみたい。

個性的な主要キャラクターはアジア系で固められてるけど、アジア系映画はあまり見てない私でも知ってるキャストが何人もいて、それくらいアジア人が活躍できる場は増えているのだなと実感する(日本人は残念ながらそこにほぼ含まれてないっぽいけども)。特にペク・リンを演じたオークワフィナは最高でした。あとミシェル・ヨーはやっぱり佇むだけでも迫力があるな……。

しかしレイチェルの物語だから仕方がないとはいえ、肝心のニックはあんまり頼りにならんのね。ニックが自分と家族のことをレイチェルに話してなかったことがそもそもの問題だったんだから、もっとこう……いやでも御伽噺の『シンデレラ』でも王子様はそんなものだっけか。ニックとコリンがアホらしいバチェラーパーティを抜け出して、二人でまったり語らうシーンは好きです。

この映画は一見レイチェルとニックの物語に見えるけど、レイチェルとエレノアの物語になっていることこそが本質であり、エレノアの立場はまさに「レイチェルのあり得たかもしれない未来の姿」なんよね。それは一般人の夫を持つアストリッドもそうで、この三人の女はなかなか面白い配置だなとも。