ロログ

ネタバレ映画感想とかいろいろ

『帝一の國』感想

予想以上に楽しめた。帝一を始めとしたキャラクターはみんな個性的だし、仰々しいキャラクターを役者も全力で演じているのが見ていて楽しい。派閥争いに努力と友情と勝利を取り入れたストーリーも、予想のつく展開では王道をより盛り上げつつ、予想のつかない展開でも上手く驚かせてくれる。どちらの要素でも気持ち良く鑑賞させてくれたので、高い満足感を得られました。私もあの一瞬でピタッと止む拍手をこの作品に対して送りたくなったもんな。

印象的な場面は多いけど、まず序盤の外部生用入学試験問題集の採点シーンは笑った。うるせえ親子だけどそれがいいんよね。海帝祭での太鼓のパフォーマンスも格好良かったし、マイムマイム事変も謎の説得力があるのが面白い。メインの次期生徒会長選挙はちょっと長く感じたけど、帝一と菊馬、帝一と弾、帝一と父、氷室と駒、とそれぞれの関係がドラマティックでいい。光明や美美子、森園といった他のキャラクターの使い方もバランスが良かった。

最後の選挙は短い中でも二転三転するし、「マリオネット」を弾き終えた帝一が拍手の中で「君たちのことだよ」と呟いた後、すぐに拍手が止んでエンディングに入る演出が痛快で好き。帝一が弾に友情を感じていることと野望に向かって邁進していくことは共存できる、という着地点が完璧。根はそのままに、更なる飛躍を遂げる主人公が清々しい。