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『ドラえもん / のび太の宇宙小戦争』感想

いきなりMGMのロゴのようにライオンになって吠えるジャイアンで笑ったし、『スター・ウォーズ』や『E.T.』のパロディ溢れるオープニングに入る流れにはテンション上がる。開始からワクワクした。一方で「ドラえもんのび太たちの大冒険」風に描かれてはいるけど、敵機は無人だからのび太たちは人を殺してはいないものの正真正銘の戦争を体験してるんよね。これは私が大人になったことと、今まさに戦争が起きているからこそ出た感想なんだろうな。

でも最後を決めるのがのび太たちではなく、ピリカの自由同盟や国民たちだったのはすごく良かった。それでいてドラえもんたちも主役に恥じない活躍ぶりで、バランスのいい映画だと思う。ドラえもんのび太は安定しているし劇場版ジャイアンの頼もしさも最高なんだけど、泣きながらも迷いなく行動できるしずかちゃんの強さとか、戦車のプラモデルを使って戦争映画を作っていたスネ夫が戦争を体験することで怯え、そこから再び自信を取り戻すところとか、みんなそれぞれに見せ場があるところも好き。しずかちゃんが攫われたことで「すべて僕の責任です」と自責するパピに、「責任がどうこう言ってる場合かよ!」と答えて走り出すジャイアンも良かった。しかし、しずかちゃんによる丁寧な着替えの描写はちょっとびびったな。

久しぶりに『ドラえもん』を見ると、普段は大人が主人公の映画ばかり見てるし『クレしん』もしんちゃんの精神年齢が高めなので、のび太たちの少し身勝手で我儘なところもあるキャラクターが子供らしく可愛くて新鮮だった。だから名曲「少年期」が余計に沁みた。