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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『ディープ・ブルー』感想

サメ映画はとにかく『ジョーズ』と比較されがちだけど、これはサメ版『ジュラパ』といった趣で期待通りに楽しめる良作だった。キャラクターも立っててそれぞれの個性が明確だったし、サメとの攻防の他、沈みゆくアクアティカからの脱出劇でもハラハラさせてもらえた。知性を与えられたからかサメが人間をなかなか襲わないような生温い存在ではなく、次々と人間を食い殺していたのも嬉しい。総じてバランスのいいシーパニック映画が見れて満足の一言です。

驚いたのがスーザンのキャラクターで、まさかキービジュアルのヒロインに殺意が湧くような作品だとはまったく予想できなかった。全部お前のせいやんけ! 最後は人間に脳を弄られた挙句、自由が欲しかっただけのサメが可哀想になってしまったもんな。でも彼女は最後にちゃんと無惨に食い殺されたのでオッケー。

カーターとプリーチャーの二人が生き残ったのも意外だったけど、どちらも好きなキャラクターだったので嬉しい。カーターは主人公らしい振る舞いで頼りになったし、プリーチャーも "口の悪いオウムと仲良しなシェフ" というキャラクターがお茶目で良かった。「あのデータがなければみんな無駄死によ」と言いながら研究データをわざわざ回収しにいこうとするスーザンに、プリーチャーが返した「"死" に意味なんてないさ」という台詞も作中で一番印象に残った。

他にも熱く語っている最中に豪快にサメに食われたラッセルを演じたサミュエル・L・ジャクソンや、風上で立ちションしたかと思えば真っ先に腕を食いちぎられたジム博士を演じたステラン・スカルスガルドなど、好きなキャストがいたのも美味しかった。ステラン・スカルスガルドは博士役がいつも似合うなとつくづく。