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『ターミネーター2』感想

先日ようやく『1』を見れたので改めて『2』を久しぶりに見返したら、大まかなプロットは前作の焼き直しになっていることに気づいた。しかしただの焼き直しでは終わらず、予算やCG技術の向上もあったからかキャラクター、ストーリー、アクション、演出といずれの要素も進化して尋常じゃない完成度になっており、やはり映画史に残る名作だと改めて実感もした。これほど素晴らしい作品を見てしまうと、賛否両論らしい今後の作品を追うかちょっと迷うな……。でもバイクで爆走しながら片手でショットガンをリロードしたりガトリングガンをぶっ放したりかわいい音を立てながらグレネードランチャーを装填したり撃ったりするシュワちゃんが格好良すぎたので、見ちゃうのだろうな恐らくは。

今回のストーリーは『1』を意識した内容でシンプルだけどそれがいいし、旧型と新型の戦いになるところとか、マシンが人間を理解して人間のようになっていくところとか(それが可能だからこそ、未来の機械は人間に牙を剥くことへの説得力にもなっている)、殺人マシンが人を殺さないという制約を設けられるところとか、とにかく王道展開をこれでもかとばかりに詰め込んでいるのも良かった。父親のいないジョンがターミネーターと触れ合うことで彼に父性を見出して、ターミネーターも学習していくところなんかは王道中の王道なんだけど、やっぱり見るたびに心を揺さぶられてしまう。特に『1』を見た後だと、あんなに無機質で怖かったターミネーターが健気なマシンに見えてくるというのがぐっと来るんですよね。

全裸のターミネーターが服やバイクや銃からサングラスまで他人からもぎ取る冒頭のシーンや、T-1000が病院で鉄格子を通り抜けようとしたらハンドガンが引っかかるシーン、ジョンとターミネーターのやり取り全般など、ユーモアが各所で取り入れられているところも好き。序盤のショッピングセンターでジョンと出会った時に、薔薇が梱包された箱から銃を取り出しながら舞い落ちた花びらをターミネーターが踏み潰すのも最高。

そんなターミネーターに劣らず魅力的だったのがT-1000で、液体金属で出来ているが故に厄介で脅威がきちんと伝わるのが敵としても申し分ないし、ロバート・パトリックの容姿の完璧な造形美が「作られた機械」らしさを漂わせていて素晴らしいな本当に。あと何度も書いてるけど私は全速力で走るシーンが大好物なので、それを堪能できるのも美味しかった。それも主人公ではなく敵が無表情で爆走する、てのが恐ろしく不気味でたまらんよね。T-1000を見ていると「敵のキャラクターが立っていてちゃんと強い」ことが、いかに重要かがよく分かる。

ところでオープニングの有名な音楽と共に、燃える木馬の遊具の映像が幼心にものすごく印象に残ってたんだけど、久しぶりに見たらここでもう感極まってしまった。幼少期に体験したものは今でもこうして残り続けているので、子供の頃に偉大な作品を吸収しておくことの重大さを大人になった今になって改めて思い知らされます。