『白雪姫』から『眠れる森の美女』まではリアルな動きを追求していた節があったけど、今回はアニメーションとして割り切ったような絵と動きになっていて、一気に私のよく知るディズニーアニメっぽくなった。海中でよく動くアリエルの髪や尾鰭、アースラのうねうね動くタコ足が好き。
歌も相変わらずいいんだけど特にセバスチャンの歌が印象的で、人間に恋したアリエルを説得しようとする「アンダー・ザ・シー」、なかなかキスをしないアリエルとエリック王子に焦れてロマンティックに盛り上げようと歌う「キス・ザ・ガール」は可愛い。「キス・ザ・ガール」なんて誰が歌うのかと思ったらセバスチャンで笑ったもんな。セバスチャンに一番感情移入できたので、それもあって彼がお気に入りのキャラクターになった。
アリエルは勇気があるというよりは、恋に盲目でわがままで軽率でセバスチャンやフランダーにも迷惑をかけるヒロインとして見てしまい、あんまり好きにはなれなかった。ただトリトン王もアリエルのコレクションを破壊するような父親（トリトン王自身もやり過ぎたと気づいたのか直後に後悔が顔に出るけども）なので、アリエルがアースラとの契約に至ってしまうのも分からなくはないんよね。
それに私はヒロインを好きにはなれなかったけど、それはそれとしてアンデルセンによる悲しい『人魚姫』の物語を大胆にアレンジしたストーリーは楽しめた。アースラがアリエルの声を使ってエリック王子を奪い取ろうとするところからは更に盛り上がり、大団円で着地できたのも良かったなと。
