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『ハンニバル』Season 3 感想

S3からウィルとレクターのラブストーリーに舵を切ったような印象があり、中盤は特に思ったよりハマれず中弛みもあった。このシリーズは一級品のサスペンスドラマとして見ていたので、ラブストーリーよりサスペンスに力を入れて欲しかったんですよね。ただ、二人の結末には満足できたので、最後まで見て良かったと思えた。超展開なドラマではあったけど、なんだかんだで面白かったのだなと。

これまでにも二人の濃密な関係は描かれてきたけど、今回は更に開き直ったかのようなストーリーになってたのはなんなんだ。レクターの構ってちゃんムーブも加速し、ウィルの言動次第で投降もするくらいなのでだいぶ厄介なおっさんだった。ただ、ウィルのほうも「彼と共に生きられず、彼なしでも生きられない」と言及されていたように、結局レクターから離れられないんだな。殺し合ったり許し合ったりのシーソーゲーム状態で、もはや相思相愛でした。だからこそのあのエンディングで、二人で落ちたというよりはウィルがレクターを道連れに落ちたように見えたけど、殺人鬼を連れていけたことも含め、二人とも目的を達成して満足もしているのでハッピーエンドだと思います。予想以上に綺麗な終わり方でよかった。続編の可能性もなくはないのだろうけど、やっと寝た子をわざわざ起こすようなことはせんでいいと思うな私は。いやまあ暗躍するレクターと翻弄されるウィルをまた見たい気持ちもあるにはあるけどもー(我ながら面倒)。

ちなみに終盤でダレたのはダラハイドにさっぱり興味を持てなかったからで、おかげで元々ドラマを見るのがしんどい私は終盤まで来て力尽きそうになった。映画版『レッド・ドラゴン』は見てないけどおんなじよーな内容なんでしょーか。

個性的なキャラクターは多かったけど、特に好きなのは主役のウィルかなやっぱり。自らの才能により可哀想な目に遭うキャラクターが性癖なんですよね。映画版レクターが大好きな私ならドラマ版もレクターを好きになるんだろうな、と予想していただけに意外だった。マッツ版レクターももちろん素晴らしかったし魅力的だったんだけど、思ったよりは刺さらなくて自分でも謎。

映画版と印象が変わったのはもう一人いて、それが精神科医チルトンだった。『羊たちの沈黙』を見た時はクソ野郎だなと思ったものだけど、こちらも悪いところはあるもののウィルとレクターの大迷惑なロマンスに巻き込まれて悲惨な目に遭いまくるので、ここまで来るともう気の毒でしかなかった。死んではいないのが逆にすごいけど、今後を生きていくにもあの状態では辛いよなと。しかしこのドラマ、キャラクターの生死がはっきりしないというかみんなタフすぎる……。

というわけでドラマを一気に駆け抜けた二ヶ月間だったけど、たいへん楽しかった。やっぱりテンポ良く魅せてくれたシーズン1が至高。ともあれ配信終了までに完走できて一安心。