ロログ

ネタバレ映画感想とかいろいろ

『クレヨンしんちゃん / 暗黒タマタマ大追跡』感想

玉を巡る逃亡劇。ここからようやくひまわりが登場して、それでなくてもキャラクターが多すぎるしそのせいで展開がとっ散らかってはいるんだけど、印象的なシーンがあちこちにあったのもあって楽しかった。

好きなシーンはたくさんあるけど、一番気に入っているのが囲炉裏でのしんちゃんとひろしの寸劇。「はぁ、囲炉裏はいい〜」と言い出すひろしをしんちゃんが「リロリラ〜リ〜」と真似るのが最高。突然の「与作」も楽しい。夕暮れの原っぱでひろしがしんちゃんにお兄ちゃんとしての自覚を促すシーンも、あまりにも優しくてちょっと泣きそうになった。というか『クレしん』はなんか夕暮れのイメージがあるんだよな。他にも珠黄泉族が三波春夫の歌を歌うシュールなシーン、玉王ナカムレの独特のキャラクターが炸裂するいくつかのシーン(玉王は中村玉緒が演じているのかと思ったら違って驚いた)、攫われたひまわりを助けるために臨海副都心までみんなで必死の形相で向かうシーンも好き。あと毎度のことながらアクションの作画がすごいんだけど、今回はよねとヘクソンの戦いが白眉。よねとヘクソンは物語に必要なキャラだとは思えなかったけど、アクション要員として必要だったのだと気づいた。

しんちゃん自身も見所は多いけど、ひまわりが可愛がられるたびに「オラは?」「オラは?」と絡むところが好き。兄弟あるあるな感情だけど、しんちゃんのそういう言動を見ても不愉快にならないのは彼の精神が健康だからなのかなと。なんか卑屈な感じがしないんだよね。

エンディングで流れる財津和夫の歌も良かったな。エンドロールの絵が後日談になっているところも好き。