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『アントマン&ワスプ』感想

『IW』の衝撃からの箸休めとしてはちょうど良い作品だった。スコットのノリがいいし、家族のために頑張るヒーロー像にもホッとする。同時に『IW』のラストに繋がる無情なエンディングを用意してくるところには笑った。でもあそこからアントマンアベンジャーズの物語でも再び活躍してくれそうな予感があるし、絶望だけで終わらないのがいいよね。ホームランを打つような四番打者ではないけど、最低でも出塁して次に繋げてくれるだろうという信頼感がMCUのこの手の作品にはある。楽しかった。

今回は車やラボ、キャラクター本人など色んなものを前作以上にサイズチェンジしまくって切り抜けていくんだけど、これがテンポ良くて楽しい。特に終盤のカーチェイスは独自のギミックが多彩で楽しかった。トラックをキックボードのように使うケースは初めて見たな。ラボも持ち運びできるようになるのが面白い。見ていて思い出したけど、あれはもう『ドラゴンボール』のホイホイカプセルそのものなんだな。

敵も事故でゴーストのようになってしまったエイヴァ、ピム博士の研究とラボを奪って金儲けを企むバーチ、スコットを監視するFBIのウー捜査官と増えてはいるものの、相関図は単純なので混乱はしない。エイヴァの悲痛さがいまいち伝わってこなかったり、エイヴァの問題点がジャネットのよく分からない力で解決したり、敵が増えたことで分散した印象もあるんだけど、この作品ならハッピーエンドでいいなと思えちゃうな。しかし前作といいピム博士はどれだけ酷い男だったんだ。ほとんど自業自得みたいなところがあるな、このおっさん。ところで彼の妻のジャネットは、30年も量子世界を彷徨っていたのに狂うこともなくピンピンしてたのが笑った。スコットに乗り移るシーンも楽しかったな。ここはポール・ラッドの演技の最大の見所だと思う。

キャラクターはルイスが今回もイキイキしていて、自白剤のところは最後のオチも含めてすんげえ面白かった。出番が増えたのも美味しい。ウー捜査官の憎めないキャラクターも良かったな。あとホープではなく自分がパパを支えるパートナーになるつもりでいたキャシーの可愛さが天元突破していた。天使だ……。