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『スパイダーマン:ホームカミング』感想

スパイダーマンの映画はいくつか見てきたけど、このトムホ版ピーターはかなり気に入ってしまった。まず『CW』からの続きになっていることもあり、ピーターがスパイダーマンになった経緯が割愛されているのが良かった。そう何度もベン叔父さんが殺されるところを見せられても辛いもんな。あとよく喋るところもいい。『アメスパ』でも軽口を叩きながら戦ってたけどこちらは更に、ていうか普通にうるさくて笑う。YouTuberなのも時代に合ってるし、『CW』の空港での戦いをスパイダーマンが撮っていたという導入も好き。更にスパイダーマンのスーツがトニー製で無駄にハイスペックなところもわくわくする。

そしてベン叔父さんが登場しないからか、トニーやトゥームスとの疑似的な「父と息子」の話になっていたのも良かったな。トゥームスは敵だけど、彼からもピーターなりに学んで自分で答えを出していたのが好印象だった。今回はスパイダーマン特有のビル群を飛び移るような爽快感のあるアクションは少ないけど、フェリーでの一件、トゥームスとの車内での緊迫したやり取り(ここのマイケル・キートンは凄味があった)、クライマックスの空中での攻防などは見応えがあったので満足。何よりトニー・スタークの傲慢さを伝えるトゥームスに対して、最初はトニー製のスーツを着て戦っていたピーターがスーツを奪われたことで自作の糸と身体能力だけで立ち向かうことになり、トニーの後ろ盾無しでアベンジャーズの積荷を守った上でトゥームスを助けるのが、この上なく真っ当で美しい流れで好きだな。

トニーも過去の自分を見るような気持ちでピーターと接しているのが分かって、これまでアイアンマンの物語を見てきただけに微笑ましい。ラストでアベンジャーズに勧誘しようとしてフラれたけど、もう一度だけ偉そうに聞き直してそれでも断られると、それ以上は何も言わずあっさり帰らせていたのがいかにもトニーらしくて良かった。まあ宇宙人と戦うチームにまだ若い少年を引き込んだのはどうかと思うけど、それはそれとして。しかしあんな別れ方をしたキャプテンの盾の試作品を作っているらしいことが今回分かったけど、なんだかんだでキャプテンを信用していることの証でもあるのでぐっと来ちゃったな。あとPRビデオに使われているキャプテンがじわじわ来た。

他に印象的だったのはネッドとの未完成バディ感で、これがあるからMCUスパイダーマンが一番好きと言えるかもしれないレベルでニヤニヤした。ピーターがスパイダーマンだと知って「卵産む?」と聞いてたのは笑う。その発想はなかった。ピーターと何度かやってた長いグータッチ(?)も可愛かったな。最後にMJの存在がサラッと明かされたけど、彼女は可愛いし出番は少ないのに妙に存在感があるから今後のピーターとの絡みが楽しみ。