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『アベンジャーズ』感想

あれだけの個性的なメンバーが揃うので一人一人を描くのはたいへんなのだろうけど、やはり前半はストーリーを追うのが少ししんどかった。地球のピンチを前にヒーローが集結したのにバートンとセルヴィグ博士が洗脳され、トニーがフューリーへの不信感を表明し(ここはちょっと唐突に感じた)、暴れ出したハルクへの対応に追われ、母艦もダメージを受けて落下し、ロキはナターシャを煽って逃げ出し(というか何故ロキがナターシャの過去を知っているのか)、アベンジャーズの面々もギスギスしてきて「仲間割れしてる場合か」と突っ込みたくなるような展開が続いてそりゃもう忙しない。まあトニーとキャプテンとソーを始めとしてみんな我が強いので早々に仲良くなれないのも納得なんだけども。

しかしコールソンが死んだことでようやく一丸となり、チームワークを発揮して戦うことになるのは熱い(前半はキャプテンを前にウキウキなコールソンが可愛くて、今までのクールな姿とのギャップを楽しんでたらまさか死亡フラグだったとは……)。ナターシャは序盤の囚われているのかと思いきやあっさり切り抜けるところから最高だし、洗脳されていたバートンも後半は名誉挽回していくし、二人のスパイの小回りの効く有能さが格好良い。バナーは怒りを抑えなくて良くなったのが気持ちよさそうで、アベンジャーズの一員として招聘されたことは彼にとっても良かったのかもしれない(最初はガンマ線に詳しいから、という建前だったけどフューリーは戦力としても当てにしていたはず)。ハルクになって一通り暴れた後、一拍置いてからちゃんとソーを殴るところも笑った。前半でハルクを利用したロキが後半にはハルクによって容赦なく叩きのめされるのも痛快で、最後はあっさり白旗を上げていたのが情けないというか可愛いというか。彼がわざわざ地球を統治しようとしたのはやっぱり兄さんへの当てつけだったようで、この兄弟喧嘩は大迷惑な代物だったけどこれにてアスガルドで仲直り……出来るかこの二人に? ソーはせっかく地球に来れたのに(何故地球に来れたのかロキが何か言ってた気がするけどよく分からなかった)ジェーンと会う余裕もなさそうだったけど、これはまあしゃーないかあれだけ忙しかったものな。彼に関しては、前半のハルクとの戦いでムジョルニアを待つシーンが好き。あとこんな状況でもロキを完全に敵と見なすのではなく説得しようともしていて、弟を信じているあたりが純粋でいいなと。だからムジョルニアも認めたのだと思う。

トニーとキャプテンももちろん良かったけど、母艦のエンジンを修復するところとか終盤のチタウリとの戦いとかとにかく連携するのがいいな。しかしハワードとは険悪という感じでもなかったのに、トニーと何故いちいち衝突してしまうのかキャプテンは。いやまあそこが面白くもあるのだけども。そんなキャプテンはコールソンとのやり取り全般と、地元の警官に指示するシーンが好き。みんなにあれこれと指示を出せるのは元軍人だからでしょーか。アイアンマンも素直に従っているのもいいよね。そのアイアンマンはミサイルごと異界との扉に突っ込んで行く終盤が最大の見せ場で、フューリーからミサイルのことを知らされて即実行に移せるのが素晴らしい。あとエンドロール後のシャワルマの食事会はシュールで笑う。

フューリーに関しては怪しいのか怪しくないのかは分からないけど、あの人なりに思惑はあるのだろうけど悪い人では無さそうなんよね。委員会の会議シーンが『エヴァ』の碇司令とゼーレにしか見えなかったのでフューリーは碇司令のようなものだと捉えてたけど、概ね間違ってはなさそー。気になるのが「何故アベンジャーズというチーム名なのか」と「そもそもアベンジャーズ計画とは何なのか」なんだけど、今後明らかになるだろうから期待。