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『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』感想

清々しいほどの王道物語で、特にキャプテンは私がイメージしていたヒーロー像に『アイアンマン』から順に見てきた中で一番近いキャラかもしれない。トニーもソーも力に溺れて傲慢になったりしたけど、キャプテンはスーパーソルジャーになっても驕ることがない。優等生というかなんというか、とにかくすごく健全なヒーローだった。この手のキャラクターはつまらないと感じることもあるけど、キャプテンはすごく好きかもしれない。

今回のヴィランであるシュミットは酷い奴なんだけど、アースキン博士の実験の被害者でもあるのでそこはちょっと同情する。まあ彼は自分から血清を打ったし打った後も誇りに思っているらしいので、同情されても侮辱と受け取りそうだけども。キャプテンに「完璧な兵士ではないが、善良な人間のままでいると約束してくれ」とアースキン博士が告げるシーンも、何を勝手なこと言ってんだと思ってしまった。正直、一番ロクでもないのはアースキンやゾラなどの科学者や、スーパーソルジャー計画を進めていたSSR首脳陣やハワードだと思うんですよね。まあ戦時中はああいうのが珍しくなかったのかもしれないけども。ただ、それはそれとしてフィリップス大佐やハワード、ペギー、バッキーなど脇キャラもみんな魅力的で良かった。

キャプテンの戦い方はアイアンマンに比べると地味に見えるんだけど、むしろそこがいい。盾は本来は武器としても使用する、てのは聞いたことがあったので、盾をぶん回すキャプテンを見るのが楽しい。元はプロパガンダ用だったスーツもダサいけど、キャプテン本人同様に段々癖になってくるというか、あのスーツじゃないと駄目だと思えるようになってしまった。

衝撃のエンディングは、キャプテンが無事だったのは喜ばしいけどペギーとの関係を思うと切なすぎる。彼女との古風にも思えるロマンスを楽しく見ていただけに尚更で、ダンスの約束はもう果たせないのだろうと思うと……。超人になっても時間には勝てないのが残酷だなと。一方で、キャプテンがハワードの息子であるトニーとどう絡むのか、今後が非常に楽しみでもあります。そいやハワードの出番が思いの外多かったのも嬉しかったな。息子によく似ていて、トニーは父の影響を強く受けているのだなと思った。