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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『ゲット・アウト』感想

「怖い」というよりは「気持ち悪い」とか「不気味」といった感情を揺り起こして来る作品だったので、びびりな私でも楽しめました。短いからサクッと終わるし、伏線の活かし方もスマートだったと思う。

とにかく黒人を持ち上げるアーミテージ家と親睦会に参加した富裕層が、揃いも揃ってすんげえ不気味で落ち着かない。黒人への歪んだ差別意識が根底にあるのに彼らには自覚がなく、なのにクリスに「憧れている」と口にする、その傲慢さと気持ち悪さが同居した異様な空気がすごい。みんなクリスを露骨に「商品」としか見てないからゾワゾワするんよね。クリスが真っ当な人だから尚更、価値観の差が浮き彫りになっていた。黒人の召使い二人もインパクトがある。

そんな中で、ロッドのアホなんだけど楽しい明るさに救われた。こんなに頼もしい親友がいるし、終盤にジョージナを見捨てなかったことでクリスも母親に関するトラウマに向き合えるようになったと思うし、おっかない作品ではあるけど決して暗い終わり方にはなってないところも良かった。