ロログ

ネタバレ映画感想とかいろいろ

『雨に唄えば』感想

タイトルだけ知ってたけど、サイレントからトーキーへ移行する映画史を描く作品だったのなこれ。曲とダンスが素晴らしいのは言うに及ばず、ストーリーも単純明快で楽しかった。雨の街でドンが「雨に唄えば」を歌いながらタップダンスを披露するシーンは、有名なだけに実際に見るとやはり感動する。傘の気取った回し方も軽快で、動作の一つ一つに品があって見惚れてしまった。この時のジーン・ケリーの表情がまたいいんよね。ドンとコズモが巡業中にヴァイオリンを使いながら踊る「フィット・アズ・ア・フィドル」、ドン、キャシー、コズモの三人で「グッド・モーニング」を歌うシーンも好き。ドンの力強く自信に満ちたダンスは安心して見ていられたし、キャシーも可愛い上にヒールを履いた足でダンスを見せてくれるのがすごい。コズモは圧倒的な身体能力を活かした動きや、コロコロ変わる顔芸が楽しかった。

でも最後の「ブロードウェイ・メドレー」は終盤のハイライトとして据えられるのも納得のクオリティなんだけど、ちょーっと冗長に感じてしまった。唐突に入るせいもある(いやまあミュージカルはそういうものかもしれんが)。えげつない恥のかかされ方をしたリナもちょっと可哀想だった。

それでも映画史の名作の一つに挙げられるのも納得の面白さで、憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれる明るさがいいな。雨の日に鑑賞したのは正解でした。