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『スパイダーマン2』感想

アクションもドラマも演出も前作から順当にパワーアップして、これで面白くないはずがないよな、という出来だった。すんげえ楽しかった。特に、望まずしてヒーローになったピーターの苦悩を描いてるのが良かった。正体を知る人がいないから一人で全部抱えなきゃならず、他人に相談すらできない。スパイダーマンには『コナン』の阿笠博士のような、事情を把握した上で支えてくれる人がいない。ピーターは両親も亡くしてるし、叔父さんはああいう形で失ったしで、あまりにも孤独な少年だったのだと今更気づいてちょっと愕然となった。だからこそ後半、メイ叔母さんがスパイダーマンの正体に気付いてそっと後押ししたり、列車の乗客がスパイダーマンに味方する展開が熱い。

ところでMJとはやっと結ばれたけど、続く気がまったくしないのが何とも。MJに興味がないから二人の恋の行方はどうでもいいし、MJが色んな男と付き合っても「好きにせえ」としか思ってなかったけど、なんやかんやで彼女はピーター本命だからMJに付き合わされる当て馬役が気の毒になってくる。今回の編集長の息子は特に可哀想だったな……。

今回のヴィランであるDr.オクトパスについては、彼自身の描写があまりなかったのでそこは物足りなかった。その分、ピーターの葛藤が過不足なく描かれていたのだろうけども。しかし考えてみれば、このシリーズはスパイダーマンや前作と今作のヴィランも含め、全員が望んで力を手に入れたわけじゃないんよな。だからこそピーターは悩むし、そこが面白いのだけども。一方、ハリーがグリーン・ゴブリンになるフラグを立てていることにもまたワクワクしてしまう。