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『ゾディアック』感想

ゾディアック(字幕版)

ゾディアック(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

実際にあった連続殺人事件が題材になっているけど、事件というよりは事件を追い続けて人生を狂わされた三人の男の話だった。センセーショナルな劇場型犯罪なのに淡々と進むし、調査も空振りが続くからすんごい地味だし、元々迷宮入りしている事件だから映画でも犯人の確証を得られないまま終わる。要するに事件そのものはマクガフィンに近い。だからカタルシスを得るような作品ではないんだな。

けどロバート、エイブリー、デイブがそれぞれ面白いキャラクターだったから最後までフワッと見れた。というかキャスティングがいい。特にロバートは普段はぼやっとした雰囲気があるから、事件の謎に取り憑かれていく姿とのギャップが効く。エイブリーが落ちぶれてデイブも疲弊していく中で、ロバートだけが生き生きと仕事や家庭も顧みず単身で事件に没入していくから異様さが際立つ。彼は事件とは無関係の人間で、警察でもないし義憤に駆られたわけでもない。ただ事件の真相に辿り着きたいという、子供のような欲求に突き動かされていく。そうして犯人の一人だと思われる人間に不用意に近づいてしまい、地下室に案内されたところでようやく恐怖するロバートが印象的でした。

あと堕落したエイブリーというかRDJがクッッッッソエロかった。びっくりした。