運び屋の男が巻き込まれて奮闘するクライム・アクション三作目。が、今回はイライラしすぎて楽しめなかった。ヴァレンティーナがたいへんうざい。私はいわゆる地雷女とかクソ女とか呼ばれるタイプの女キャラは好きだけど、ヴァレンティーナのような下品で痛くて寒い勘違い系は求めてないんじゃー。彼女によってフランクの魅力が削がれていくのも辛い。更にフランクの中の "ルール" がすっかり関係なくなっちゃったのがな。フランクも開き直ってたけどええんかそれで。ただ、ヒロインの影が薄くなる終盤は派手なアクションもあって結構楽しめた。正直アクションはマンネリ気味だけど、「爆弾センサー付きのブレスレット」というハンデは車を最大の武器としているフランクに相応しく面白いアイデアだったと思う。それだけにヒロインの魅力の無さが残念なんだけども……。
しつこく書くけどとにかくヴァレンティーナの鬱陶しさが凄まじく、こんな女置いてってしまえと何度思ったか。そんなことをすればヒロインが爆死する？ 知らんな！ せめて簀巻きにしてトランクに突っ込めば良かったのに。特にガソリンスタンドでの彼女の振る舞いには殺意が沸いた。店の商品を勝手に食うわ飲むわ（しかも口にした後に陳列棚に戻す）放尿するわでいやもうひっどいなマジで。フランクが我儘な娘に振り回されてばかりなのもイライラを加速させる。迫られて一度セックスした後はすっかり恋人ムードになってたのも白けるけど、振り返ってみればフランクは毎回行き摺りでセックスしていたよーな気もしてきた。しかし首に漢字の「安」のタトゥーを入れてるのはなんだったんです？
一番楽しかったのはアウディを自転車で追うシーンで、いつもクールに車のハンドルを捌くフランクが必死になって自転車を漕ぐのが面白かった。湖から引き上げられたアウディの上に体育座りしてるフランクも可愛かったな。序盤でも整備工場でのバトルでフランクが服を利用した戦いを披露しており、ちゃんと「ステイサムの裸体を披露する」といういつものノルマをこなしているのも律儀というかなんというか。しかしここが後半の「ヴァレンティーナによるフランクへのストリップ強要からのセックス」という微妙なシーンに繋がるとは思いもせなんだ。
他にも片輪走行で車の間を駆け抜けたり走行中の列車に飛び乗ったりと相変わらずめちゃくちゃで、終盤のジョンソンとの肉弾戦もまあまあ楽しんだ。列車アクションのある映画は名作──にはならなかったけども。うーん。
