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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『ピンポン』感想

ピンポン

ピンポン

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

熱血青春スポーツ系作品はあんま見ないんだけど、これは良かった。卓球シーンは迫力もスピード感もあったし、キャラクターも映画を見た限りでは全員が合っていたんじゃないか。中でもドラゴン役の中村獅童は、ああいう異彩を放つキャラが本当にハマるよね。

ストーリーは二人の天才の友情、栄光、挫折、復活を描くとゆー王道セットで、分かりやすく見やすく面白かった。あと基本的に「才能を与えられた者」と「そうでない者」の話が好きなんですよね。才能は努力や金で得られるものじゃないから、ペコやスマイルのような才能を持たされた者にとってもドラゴンやアクマのような持たざる者にとっても、残酷な現実に翻弄されることがままある。そうしたドラマに惹かれてしまうのでお気に入りはドラゴンとアクマになった。この二人の関係もいいんだけど、特に後半のインターハイ中のトイレでの会話が好き。卓球を辞めたことで憧れていたドラゴンが天才ではないことを初めて知り、アクマがひっそりと泣くのがぐっと来る。だからこそ後のペコとの対戦で嬉しそうに打ち合うドラゴンの姿に泣けるんだな。ペコがスマイルを救ってスマイルのヒーローになったように、今度はスマイルがペコを救い、復活したペコが更にドラゴンを苦痛から救って彼のヒーローにもなったのが熱い。ラストのペコの笑顔もめちゃくちゃいい。他にもコーチ陣や卓球部のキャプテンとの小さなドラマも良かったし、チャイナだって後半は解説役になるけどそれで影が薄くなるということもなく、解説役としては美味しい立ち位置を維持していた。とにかくキャラクターの魅力が強力で、それぞれが見せ場できちんと魅せてくれたのが良し。エンドロールで流れるSUPERCARの「YUMEGIWA LAST BOY」も名曲だった。