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『おおかみこどもの雨と雪』感想

二人のおおかみこどもを母親が一人で育てようと奮闘するドラマ。正直言ってあんまり乗れなかったんだけど、そもそも動物が深く絡んでくるような話への興味が薄いせいもある。私は基本的に「人間」の話が見たい人なんだな。で、今回だと花が「人間」なんだけど、その肝心の花のキャラクターが最後までよく分からなかった。だから雪や雨との母子関係にも入り込めない。雪原を三人が駆けるシーンは好きなんだけど、躍動感に満ちた映像の魅力によるところが大きかったもんなあれ。ちなみに「主人公がよく分からない」という感想を抱いたのは『サマウォ』でもそうだったので、細田守監督作が合わないという可能性もあるんかなー。まあまだ三作しか見てないので、ここで決め付けるのはちょっと乱暴だけども。

花に関しては序盤で学生のうちに自宅出産したことが描かれていて(他人の助けは一切なし)そこから驚いたんだけど、その後二人目が出来たのも仰天した(しかも年子)。学費を稼ぎながら通う大学生、無計画な妊娠、相手はおおかみおとこ、子供もおおかみこどもとして誕生、行政には頼れず互いに天涯孤独。この状況で二人目を作れるメンタルが異次元すぎる。あんま深く考えてないんか? それはそれで怖いなーと思ってたらおおかみおとこが呆気なく死んだので「うわあ」。しかも最期が容赦ないのがまた辛い。

ところでおおかみおとこは人ではなく獣として死んだけど、セックスの時も獣だったので本能が関わると狼の姿になるんでしょーか。でも食事の時は人だっけ。おおかみこどもの二人も気が昂ったりすると狼の姿になるので、狼の状態でいるのが自然なのかなという気はするけども。ちなみに雪と草平のエピソードは「人の子供同士のドラマ」としても見られたからか結構楽しめた。でもあの二人、大人になる頃には別れてそーな気もするんですよねなんとなく。