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『ヘルタースケルター』感想

全身整形で得た美貌で芸能界の頂点に君臨するモデルの栄光と転落を描いたドラマ。とにかく主演の沢尻エリカがハマり役というか、彼女がキャスティングされたことで初めてスタート地点に立てる作品だと思う。説得力のある美貌を持っているし、りりこという役に対する熱意も感じた。他のキャストも豪華だし、原作は読めてないけどみんな役には合っていたと思う。が、それ以上に合わない部分のほうが多かった。蜷川実花監督作はこれが初めてだけど、少なくとも『ヘルタースケルター』を見た感じでは好みじゃなさそうなんだよね……。

最初に気になったのがわざとらしい台詞の数々で、特に大仰な言い回しが常な麻田検事のキャラクターは狙ってやっててもやってなくても滑ってるよーな。こんな見方をするのはものすごく失礼かもしれないけど、検事役の大森南朋が気の毒に見えちゃったな。あと登場人物の音声が小さいのも不満。そのくせ女子高生の声だけはうるさいのも気に入らない。そこから赤を基調とした映像も鬱陶しく感じてしまい、後半の安っぽい幻覚描写にも白けた。こうして何もかもが鼻についてしまったのもあり、りりこの世界の地獄を感じられないまま最後まで見て終わった。