ケイト・ブランシェットの演技と美しさに圧倒されるためにあるような映画だった。迫力のある美人は精神の壊れ方にも迫力があるんだな、と言う気付きも得られる。ストーリーも分かりやすく、その分しっかり皮肉が効いていて面白かった。ジャスミンがハルとの生活で失敗したことを学んで努力していればいくらでもやり直せるチャンスはあったのだと、そういったやり切れない感情を抱かせてくれるのがいい。特にドワイトに嘘をついたりしなければまた違ったんだろうな。彼はハルとは違って真っ当な人だっただろうから。
暗い作品だし後味だって良くはないんだけど、暗すぎないというかビターというか、秋の気配が漂い始めた今の季節に見るにはうってつけの妙な心地良さがあって、私は好きだなこの映画。