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『浅草キッド』感想

浅草時代のビートたけし深見千三郎の師弟関係を描くドラマ。ストーリーも面白かったけど、私は役者の表情を見るのが好きなんだよな、てのを改めて実感させてくれる作品でもあったなと。大泉洋柳楽優弥門脇麦の三人は特に印象的なショットが多かった。堪能しました。しかし劇団ひとりって何でも出来ちゃうんだな……。

柳楽優弥のたけしは「たけし本人そのもの」とは思わなかったけど、むしろそこがバランス良くて好み。『浅草キッド』の主人公としては自然なキャラクターになっていて、おかげで素直にストレートな物語により没入できた。北野武主演の『座頭市』が好きなのもあって、重要なシーンで挟まれるタップダンスにも見入っちゃったな。あときよし役の土屋伸之も上手くはまっててびっくりする。

深見は弟子への愛情と芸人としてのプライドをギリギリでも維持し続ける姿が、廃れていく浅草フランス座の光景も相俟って切なかった。新選組を題材とする作品などでもよく描かれているけど、私は時代に取り残されていく者の話に弱いのかもしれない。大泉洋がその辺りを絶妙に演じるから何度も涙腺に来た。