ロログ

ネタバレ映画感想とかいろいろ

『グッドフェローズ』感想

グッドフェローズ (字幕版)

ゴッドファーザー』のような重厚なマフィア映画かと思ったら、むしろ『ゴッドファーザー』とは真逆のアプローチからマフィアを描く映画だった。幼稚な憧れから安易にマフィアの世界に入っていったヘンリーという軽薄な男の半生を、皮肉を混ぜつつドライに映していく。ルフトハンザ襲撃事件ですら詳しい描写は割愛されているほど。そしてヘンリーやジミーやトミーはマフィアというより調子に乗ったチンピラであり、そこに美学はないんですよね。それがまた面白かった。ちょっと長いけども。

ちなみに見る前はデ・ニーロが主演だと思ってたので、彼が助演だったのは驚いたな。食えないところもあるしちょっと怖いけど所詮は現金なチンピラでしかないジミーを、派手ではないけど堅実にデ・ニーロが好演していて良かった。無軌道に暴れ回るトミーもいい。みんなで飲みながら、ヘンリーに何度も問い詰めて絡むシーンのゾワッとする空気は最高。ジョー・ペシの高めの声もいいよな。あとこのシーンの時もそうだけど、ヘンリーというかレイ・リオッタの笑い方が独特すぎて印象に残る。わざとこういう笑い方をしてるのか、素でこうなのかは気になるけども。ところでちょい役でサミュエル・L・ジャクソンにそっくりなチンピラがいるなと思ったら、まさかの御本人でこれまた驚いた。

一番印象に残っているのは、やっぱりバッツの死体を埋める時の車のテールランプの赤い明かりかもしれない。ヘンリー、ジミー、トミーそれぞれのキャラクターがくっきり浮かび上がっているのもいいよね。この後、トミーの家でトミーの母と呑気に食事するところも好き。