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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『グラディエーター』感想

あんま好きなタイプの映画じゃなさそうに見えたけど、見てみたら普通に面白かった。二時間半の間、退屈を感じることもあまりなかった気がする。ダイナミックな映像(でもCGは少し時代を感じた)と豪華な衣装、重厚な音楽もリッチで、超大作を見れたという満足感も得られる。

マキシマス役のラッセル・クロウは合ってたと思う。将軍から剣奴に落ち、人の殺し合いの鑑賞を娯楽とする観客に虚しさを訴えていた男が、逆にそんな虚しい見せ物を利用して復讐を決意するところもいいよね。ただ、マキシマスとルッシラのキスシーンは無い方がマキシマスらしくて良かったと思うな絶対。そこだけが残念。

私的にMVPはコモドゥスだった。父からの愛を求めて捻くれた人間になり、姉には歪んだ執着を抱き、それゆえに父や姉だけでなく民からの愛をも独占してしまったマキシマスには強烈な劣等感を抱いて持て余す。ホアキン・フェニックスはこういうキャラクターが本当に合うな。マキシマスが民衆からの支持を得ていくのに対して、更に孤独になっていくコモドゥスの姿は見ていてやるせなくなるし、ラストはコモドゥスの死体が最後まで誰にも顧みられることがなかったのが、熱狂の後の出来事だけにより哀愁を感じさせる。姉ですらマキシマスにしか目を向けないのがあまりにも……。とはいえ愚帝には違いないので彼の死には納得も行くけども。ただコモドゥス元老院の対立は、後半のクーデター成功への布石としては上手く機能してない印象があってちょっと気になってしまった。