ロログ

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『ナイトクローラー』感想

下衆パパラッチとして覚醒したルーの、清々しいほどのクズっぷりが輝いていた。人が死んでも撮影を続け、犯人を見てもすぐには通報せず、より刺激的な映像を撮るためだけに動く。自分が殺人を犯すことはないけど、他人にはそう仕向けるように立ち回るのも最悪で、そこに倫理は露ほどもない。しかもルーは報いを受けることなく大勝利で終わる。まったくもって酷い話ではあるんだけど、だからこそ面白かった。

今回はニーナという数字に取り憑かれたディレクターの存在も大きかったけど、今の時代なら彼はYouTuberになってるのかもしれない。ルーは有能な男なので時代に合わせて上手くやるんだろうな。口も達者で頭もいいし、姑息に立ち回る姿が安易に想像できてしまう。

あと基本的にルーは車での移動になるけど、真っ赤なフォルムとテールランプの光が闇夜に映えて美しかった。終盤のカーチェイスも派手なアクションとしての迫力もあるけど、絵の美しさのほうが印象的だったな。そしてギョロギョロ動く爬虫類のような目とか不気味に笑う口元とか、不気味な男を演じたジェイク・ギレンホールの佇まいもいい。ルーはパパラッチが天職だったけど、ジェイク・ギレンホールもルーがハマり役だった。