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『ワンダヴィジョン』感想

合わなさそうだなと思いつつ見てみたら、やっぱり前半は退屈だった。ただでさえこの手のギャグは合わないのに、ドッと観客の笑い声が入るから余計にズレを感じるんよね。あとやっぱり私は二時間ほどで完結する映画の尺が合っているので、ドラマではなく映画で見たかったなと思ってしまう。

それでも最後まで見てみたらまあまあ楽しめた。映画ではワンダの掘り下げが浅かったのでどういう人なのかよく分からなかったけど、このドラマを見たことで彼女の輪郭を掴めたしワンダというキャラクターを好きになれた。あと『IW』でワンダとヴィジョンがくっついた時は驚いたものだけど、そこを補完できたのも大きい。しかし思っていた以上に可哀想な人なんだなワンダ……。

ダーシーやウー捜査官の再登場、モニカの出番の多さは素直に嬉しい。ただ、モニカはフューリーに呼ばれていたのでアベンジャーズのメンバーになるのかもしれないけど、能力が何なのかよく分からんなあれだけでは。

アガサは黒幕としてはちょっとインパクトに欠けるかな、と。アグネスだった時の方が不気味で存在感があった。まあ事あるごとに愚痴っていた夫のラルフの正体がピエトロ役だったとは思わなかったけど、そのピエトロ役がこの物語に必要だったとも思えないのが何ともな……。一方でヘイワード長官は「死後のヴィジョンを兵器として利用しようとする愚かな人間ムーブ」が実にありそうな感じで、敵としてはこちらの方が説得力があったと思う。

ワンダについては、アガサ曰く魔女だそうだけど、この設定は後付けのように感じて微妙な気持ちになった(原作通りなのかもしれんけど)。大事な人を次々と失って追い詰められ、本人には悪意なんてないのに強大なパワーで周囲の人間をまた巻き込んで傷つけてしまうのが痛々しい。それで更に本人が傷ついていく悪循環がもうね。こんな時こそ復活した(?)白ヴィジョンがいてくれたら心強いのだけど、彼は記憶を取り戻した瞬間にどっか行っちゃったからな……。

結果的にはワンダというキャラクターを知れて良かったと思うけど、今後も新作映画を見るのにドラマの視聴を推奨されるのはなかなかにしんどい。新作リリースがハイペースなこともあってMCUへの窮屈な印象は日に日に大きくなっており、ちょっと疲れつつあるのが本音。まあでも、あともう少し頑張ってみます。