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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『マグニフィセント・セブン』感想

七人の流れ者が悪党を倒す、という今時ちょっと珍しい気がする勧善懲悪な物語なんだけど、不満点もいくつか出てくるのが惜しい。が、それ以上に黒尽くめのデンゼル・ワシントンを始め、みんながめちゃくちゃ格好良かった。不満点を完全に捩じ伏せてはいないけど、なんだかんだで結構好きな作品かもしれない。未見だった『七人の侍』と『荒野の七人』も、やはりいずれ見ておかねばならんようです。

チザム以外のメンバーのボーグ打倒への動機が弱いのは、最後まで気にはなった。チザムは復讐のためだったけど、そのチザムの私情にみんなが巻き込まれたように見えちゃうんだな。死人も出てるから尚更。チザムが仲間を選んでいく理由も不透明だし、動機が曖昧なまま進んでいくので、前半はストーリーに乗りきれなかった。あと中盤、街に残ったボーグの手下をほぼ全員殺したことを、ボーグに伝えさせるのも謎だった。時間をかけて街のみんなをしっかり鍛え、何も知らないボーグがノコノコと戻ってきたところを殺したらよかったのでは。野暮な突っ込みかもしれないけど、あそこでわざわざボーグに宣戦布告をする理由はなかったと思う。

要するにキャラクターの描き方というか脚本の粗が目立つのだけど、それでもクライマックスの戦いを見終わった後には満足してる自分がいた。キャラクターの背景はあんまり語られないけど無頼漢同士のやり取りからキャラクターを描いてはいるし、クライマックスの戦いでもそれぞれが見せ場を用意されている。欲を言えばギャンブラーであるファラデー、グッドナイトのスナイプ、ビリーのナイフ捌き、レッドハーベストの弓使いと、いずれも個性を持ってるのに肝心の乱戦ではあんまり生かされておらず、そこはもったいなかったなとは。