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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『ブラック・ウィドウ』感想

正直あまり期待してなかったし、見てみたら実際大味なストーリーではあったけど、アクションシーンがちょうどいいタイミングで挿入されるから飽きが来ないし、ナターシャというキャラクターが好きなのもあって思った以上に楽しめた。ナターシャが凄惨な過去を持っていることはこれまでの作品からも伺えたので暗い作品だろうなと想像してたけど、楽しいシーンもたくさんあってMCUらしくエンタメしてたのが意外だった。ナターシャの妹でもあるエレーナも可愛くて、結構お気に入りのキャラクターになった。ただ、タイミング的に現実でのウクライナとロシアのことがどうしても脳にチラついてしまうけども……。

バラバラになった疑似家族が再び集結する物語、と書くとありがちだけど、まさかナターシャの物語でやるとは思わなかった。アレクセイはまたしてもクズ父親パターンかと思いきや、そんなことはなかったのが良かった(そもそも実の父親ではなかったけど)。ただ、キャプテン・アメリカのロシア版レッド・ガーディアンなのに、スーパーソルジャーらしい活躍があまりないのは物足りない。彼の身体能力が輝くのは前半の脱獄する時くらいだったよーな。一方エレーナはアクションの見せ場は多くはないものの、アベンジャーズの一員として活躍していた姉を茶化すのが可愛かった。ラストの姉妹のやり取りにもぐっと来ちゃったな。しかし、ここからナターシャの『IW』での死に繋がっていくのかと思うと切ない。

敵はパッとしなかった。ドレイコフ将軍は年端も行かぬ少女を攫い、子宮と卵管を引っこ抜き、暗殺者に仕立て上げるという外道かつ気持ち悪い人間なんだけど、底の浅い敵として描かれているのもあってあまり印象に残らない。フェロモン・ロックも「なんじゃそら」としか思えなかった。タスクマスターも存在感が薄く仮面の下の正体にもパワーがない。ただ、タスクマスターはナターシャだけでなくナターシャ、キャプテン、バートン、陛下の戦闘スタイルをコピーするので、今回は登場しないアベンジャーズの面々を思い出させてちょっと懐かしくなった。