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『キングスマン / ゴールデン・サークル』感想

一作目は素直に「面白かった」とは言えないもどかしさがあったけど、二作目は明確に「面白くなかった」という感想が出たので、ある意味スッキリはした。前作でも王道から敢えて外して作られてるなと感じたけど、今回はそれらが面白さに結びつかずことごとく滑ってたよーな。ストーリーもガチャガチャして見通しが悪いんですよね。素材はものすごく魅力的なのにな『キングスマン』という作品は。もっ、たい、ねええええ……。

ミンチにかけた人肉バーガー、アームマゲドン、粘膜に仕込む追跡装置、と前半からどれもつまらなくて微妙な空気が漂ってたけど、それ以上にキャラクターの杜撰な扱いにびっくりした。ロキシーやJBやマーリンが次々と死んだり頭を撃たれたのにハリーが生きてたりで、雑な退場と蘇生が多い。キャストは豪華なのに、ほとんど寝てるか出番が少ないかで印象の薄いステイツマンももったいない。そもそも『キングスマン』は分かりやすくブリティッシュな世界観が魅力的だったから、最後まで「英国の諜報機関キングスマンの物語」として貫徹させて欲しかった(アメリカが嫌なわけではない)。

敵もドラッグの合法化を目論むポピーの描き方は浅く、ウイスキーとの戦いも消化試合になってて「まだ終わらないのか」と思ってしまった。今回は味方にしろ敵にしろ、キャラクターがいたずらに消費されてるようで印象は良くない。主役のエグジーもちょっと存在感が薄い(ハリーとマーリンのキャラクターが立ってるから尚更)。最後にはスウェーデンの王子になっちゃうし、英国紳士然としたキングスマンの一員というイメージも薄くなりつつある。マナーを重視する精神がどこかに行ってしまったのも寂しい。終盤、片手を失ったチャーリーに対し、思い出したようにマナーを持ち出してエグジーも片手を使わず戦ってたけどちょっと苦しい。

ただ、終盤のカンボジアでのバトルは楽しかった。ワンカットのような映像や大胆なカメラワークによるアクションは好きだなやっぱり。エルトン・ジョンの暴れっぷりも予想を遙かに越えてきたので、エルトン・ジョンの華麗なキックはいつまでも記憶に残り続ける気がする。