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『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』感想

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ハンバーガーの日に鑑賞。マクドナルドが如何にして作られていったか、どのように成り上がっていったかが丁寧に描かれており、後味は悪いけどそれも含めて面白かった。

前半はマクドナルド兄弟が効率的なシステムを生み出していく経緯がスピーディに語られるんだけど、テニスコートに厨房の図面を描いてシミュレーションする場面は、兄弟が生き生きと指揮者のような振る舞いをしていたのが印象的だった。兄弟にとってマックの効率化の設計はオーケストラを完成させていくようなものだったんだな、てのがわかる。まあそれも根こそぎ奪われてしまうのだけども。

レイは「ライバルが溺れてたらホースを口に突っ込む」とのたまうような非情な男だけど、私もどちらかというと効率を優先したいタイプなので、レイの極端なやり方はともかく考えには少し賛同できる。品質を保持したい兄弟の気持ちもわかるけど、兄弟が頑固に見えてしまったのも事実なんよね。それに私はマックが大好きなので、マクドナルドを広めてくれたレイには感謝の気持ちもある。降ろされるマクドナルドの看板を哀しげに見上げる兄弟の姿は切なかったし、すべてを兄弟から奪っておいて兄弟の経営するバーガーショップの目の前に新店舗をオープンさせるレイの兄弟潰しの念の入り様には「鬼かよ」と思わず突っ込んでしまったけど、それでもこの映画の感想は「面白かった」になってしまった。マイケル・キートンがレイを魅力的に演じていたのも大きい。畜生ではあるけど、ビジョンを明確にした上で手を抜かず突き進んでいくという、彼のような頭も運も良くて実行力もある人は、外から見ている分には嫌いにはなれないなと。