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『オール・ユー・ニード・イズ・キル』感想

オール・ユー・ニード・イズ・キル(字幕版)

ループを題材にした物語は多いけど、これはまんま「強くてニューゲーム」なのでゲームが好きだった人間としては馴染みのあるものでニヤニヤできる。何度もループするけど端折っているところもあり、おかげでテンポ良く進むしその編集こそが物語にも生かされているのが上手かった。あとは序盤のヘタレなトム・クルーズが最高なんですよね。前線に送られるのが嫌で小賢しく抵抗しようとするのがみっともないし、戦場でもアワアワするのが面白い。これはトムじゃなきゃ成立しない。あとアクションも異星人ギタイの俊敏さがちゃんと脅威に感じられたし、ヘリのローターを振り回すリタもめちゃくちゃ格好良かった。無骨な戦闘スーツも好きだな。終盤は画面が暗くて何が起きてるのか分かりづらい点だけが惜しいけど、総じて面白い映画でした。私は好き。

前半はとにかくケイジがサクサク死ぬのが面白いんだけど、途中からリタがどんどんリセットさせていくから更に加速していくのが楽しい。「ウジ虫!」を聞かされすぎて無表情になるところとかもう笑う。コミカルなシーンは他にもあって、みんなにループしていることを説明しても信じてもらえずガムテープを口に貼られたり、走行中のトラックの下に潜り込もうとして轢き殺され、曹長が「なんというアホだ」と呆れるところは吹いた。

後半からはシリアスになっていくけど、エイリアンとの絶望的な戦いの中でループしまくるので、ループからの脱却を目指すことがないのは新鮮だった。エイリアンがループすることで人類を滅ぼそうとしているから、こちらもループに頼らないと勝てない。ループ出来なくなるという事態だけは避けねばならないし、実際に出来なくなってからの戦いはまさに「後がない」ので熱いんよな。J部隊に協力を頼むシーンも、彼らがついていくのはケイジではなく「ヴェルダンの女神」リタである、というところに説得力があるのがまたいいよね。最後はオメガの血を浴びたからか「ウジ虫!」を聞かされる地点じゃなくなっており、元気なリタを見た時のケイジの笑顔で終わるのが気持ち良かった。ハッピーエンドもやっぱりいいものだなと、久しぶりに実感した。