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『ユー・ガット・メール』感想

ユー・ガット・メール (字幕版)

ユー・ガット・メール (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

『めぐり逢えたら』とキャストだけじゃなくて雰囲気も似てるのな、と思ったら監督も同じ人で納得。犬猿の仲の二人が徐々に惹かれあっていくという王道展開は好みなはずなんだけど、監督のキャラクターの描き方が好きじゃないようで合わない部分は多かった。一方、クリスマスを控えたニューヨークの街並みは美しかったし、トム・ハンクスが好きなのとメグ・ライアンの愛らしさもあって楽しめたところもある。

二人の出会いのシーンは微妙で、出会い頭に近所の量販店を悪く言うキャスリーンの態度が最悪すぎる。気持ちは分からないでもないけど、自分が客ならこんな店には二度と行きたくないな。その後もマスコミを利用してフォックス書店のイメージを落とそうとするのが好きになれない。その割に閉店への決断も急でびっくりした。

ジョーは嫌な人に見えるけど、自分のやり方を良くは思ってないことがshop girlへのメールで伝わるので役者の力もあって嫌いなキャラクターではなかった。ただ、shop girlの正体を知ってからはちょっとな……。自分がNY152であることを伏せたままキャスリーンに会うのはさすがに気になる。キャスリーンは相手をそうだと知らずにジョーとのことをNY152に赤裸々に語ってるわけで、両方の立場からキャスリーンの反応を一方的に得られるというハイアドバンテージを利用するのはフェアじゃない。

更にジョーが見舞いに来て以降は友達になり、ジョーに対してもNY152の話をするようになるんだけど、キャスリーンはお見舞いに来た時のジョーとのやり取りで正体を察したようだから、こちらはまだ駆け引きだと思えばそこまでの不快感はない。ただ、察したキャスリーンがNY152に会おうと言ったのに「その前にいろいろと調整する」とか言い出してダラダラ引っ張るのはよく分からない。潔く会わんかい。エンディングでも、思い入れのある本屋を潰したジョーにキャスリーンが惹かれるのはちょっと強引。

好きなところもある。序盤の立食パーティで付け合わせのキャビアを掬うジョーには笑ったし、『ゴッドファーザー』が好きなので引用が多かったのはニヤニヤした。終盤のキャスリーンの「よく出会うわね」からのジョーの「土曜の昼にまた偶然に出会わない?」の提案も洒落てていいなと思った。