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『タッカーとデイル / 史上最悪にツイてないヤツら』感想

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気のいいおっちゃん二人と大学生グループの勘違いや思い込みだけで地獄のスパイラルが次々と発生していくのが、馬鹿馬鹿しいんだけどテンポがいいのもあって最高に楽しかった。死に方が結構エグいのもいいな。大学生とかアホばっかだなーと思っちゃうんだけど、パニック状態ならアホな行動を取ってもまあおかしくはないやんな!(本当にそうか?) 危ない人間が一名いるけど、序盤から「こいつはあかんやつや」と分かりやすく提示してくれるのも優しい。一方で、タッカーの友達思いなところやデイルの純粋さも良かった。犬が最後まで無事なのも良し。

じわじわ来たのが警察を呼ぼうとするデイルにタッカーが言った台詞で、

「警察は起こった真実より現場を見た推測を信じる」

これはまあ一理あるとは思うけど、大学生は二人を殺人鬼と決めつけて二人は大学生を集団自殺と決めつけている、彼らの状況こそがまさにそうなのだと、タッカーの気付かぬまま説得力が生まれているのがこの上なく愉悦だった。

チャドのキャラクターも印象的だったけど一番ゾッとしたのは序盤でアリソンに迫るシーンで、あの気持ち悪さが最悪でいい。タッカーやデイルを殺そうとするところや焼け爛れた顔を晒して追ってくる時よりもよほど怖かったもんな。デイルとアリソンは両想いになってハッピーエンドで終わったのは何よりだけど(酷い目に遭ったタッカーはちょっと可哀想だけど)、冒頭のシーンからも分かるようにチャドはまだ生きてるようだし、彼の妙なしぶとさにもちょっとゾッとしてしまった。ただ、両親の設定はない方が良かったかも。