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ネタバレ映画感想とかいろいろ

『時をかける少女』感想

細田守作品は『ぼくらのウォーゲーム!』と『オマツリ男爵』しか見たことがないしどちらもピンと来なかったけど、『時かけ』は起承転結がはっきりしていて面白かった。青空の清々しさや夕暮れの切なさとか、全力で走る真琴の表情や玉のように流れ落ちる汗だとか、そうした夏の色んな表情がストーリーともハマっていてもう最高。夏の間に見れて良かった。キャストもみんな合ってたし主題歌や挿入歌もいいんだよね。劇伴では大好きな「ゴルトベルク変奏曲」が面白いところで使われていたのも印象的で、軽快なピアノ音が合っていたなと。

真琴は鬱陶しいところもあるんだけど、鬱陶しいくらいがちょうど良かった。軽率にタイムリープしまくるしバカだし空気を読めないところも多いけど、嫌な感じのバカじゃないから結構好きな主人公だった。千昭とはお互いに告白しないまま別れてしまったけど、むしろ告白しないままだったことに未来への可能性を感じるんですよね。再会して二人が今度こそ素直になれる時がやってくるのかもしれないし、来ないかもしれないし、そもそも再会出来るとも限らない。あの終わり方は粋だったな。功介もすんげえいい奴で、だからこそ真琴も千昭も事故に遭いそうになる功介を助けることに躊躇いがない。この三人が帰宅中に別れる三叉路のシーンは、幾重にも意味を感じられてぐわーっと来た。