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『すみっコぐらし / とびだす絵本とひみつのコ』感想

飛び出す絵本の世界に吸い込まれたすみっコたちが、そこで出会ったひよこと御伽噺を準えたような大冒険を繰り広げるファンタジー。『すみっコぐらし』は存在を知っているだけで詳しくはなかったけど、冒頭で説明してくれるので問題なかった。色んな御伽噺の世界を行き来するけど混乱はないし、ストーリー自体はゆるゆるでも愛くるしいすみっコたちを見ているだけで癒された。動きも表情も台詞の表示も健気で可愛くて飽きない。一時間ほどで終わるのも優しい。

キャラクターはみんな良かったけど、お気に入りはしろくまととんかつと、それとやっぱりひよこの愛らしさには抗えなかった……。だからこそ『みにくいアヒルの子』も "すみっコ" にいるような主人公の物語なのに、ひよこにはそれすらも存在していなかったという残酷な事実に泣けた。ただ、大冒険の末にルールに阻まれて別れるしかなかったひよこが、すみっコたちの手によってルールに沿ったやり方で救済されるのが切ないけど優しい頭が痛くなるほどに泣いた。エンドロールがまたいいんだよね。絵も歌も。

欠点もある。ナレーションは主に突っ込みを担当するイノッチと絵本の世界を説明する本上まなみの二人がいるんだけど、どちらも必要だとは思えなかった。すみっコたちが表情豊かだから尚更。特にイノッチの方は、声は合ってたと思うけど話し方も突っ込みもいちいち過剰で気になってしまった。最後の方は空気を読んでしゃべらなくなるけど、いっそ無くしても良かったのではないかなと。