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『レディ・プレイヤー1』感想

孤独な青年がVR世界の中で仲間と共にイースター・エッグを探し求めるSFアドベンチャースピルバーグ監督作ということでかなり期待してたんだけど、思ったより乗れなかった……。うわーめっちゃショック。『BTTF』とか『シャイニング』とか『アイアン・ジャイアント』とか『ガンダム』とか映画初心者な私でもニヤニヤできるポイントはたくさんあったけど、ストーリーが雑なのとキャラクターにハマれなかったのとで満たされなかったな結局。最後まで見てスピルバーグ監督でないと出来ない作品だと思ったし、だからこそ楽しみたかったんだけども。私が求めるのは映像的快楽ではなく物語的快楽にあるのだなと、つくづく。

前半はパーシヴァルとアルテミスのデザインが苦手なのもあって二人を好きになれず、リアルでもキャラクター描写が浅いので感情移入が難しかった。パーシヴァルは軽率なところがあるのもイライラしてしまう。だからパーシヴァルの呼びかけに見知らぬ人々が大量に駆けつけるシーンも、説得力がなくピンと来ない。ここで乗れたら鳥肌が立つほどに最高だっただろうな、てのが分かるだけに残念を通り越して無念だった。あとハリデーの内面に迫っていくことでゲームクリアできるようになってるのにハリデーにさっぱり興味が持てなかったのも、乗れなかった原因のひとつだろうと。ただ、ベン・メンデルソーンが好きなのも大きいけどソレントさんは必死すぎてちょっと面白かった。

版権キャラクターやアイテムの数々には心躍った。中盤の『シャイニング』のホテルがそのまま出てきた時も笑ったし、オリジナルの『シャイニング』よりこっちのが怖いのも面白い。クライマックスのバトルからやっと物語にも入っていけたのも怒涛のような版権の津波のおかげではあるんだけど、楽しめりゃなんでもいい。ここでようやく盛り返してきてちょっとホッとした。欲を言えばもっと早くに没入したかったけども。ダイトウの出陣も「行きまーす!」とかじゃなくて「俺はガンダムで行く!」と宣言するあたりが、本家をそのまま準えるのではなくあくまでもアバターって感じがして好き。

ところでIOIによる強制労働やディストピアな世界観はそういう設定なのかと思いきや、最後にソレントが逮捕されてたのですんげえびっくりした……。