はみ出し者のサムとスージーによる駆け落ちを発端に小さな島で起こる大騒動を、敢えて踏み込まず客観的に映していくという、ちょっとした群像劇のような変な映画だった。だからストーリーはちゃんとあったはずだと思うんだけど、終わってみればどんな話だったのか説明出来ない。理路整然としたカメラワークや、独特の色で構築された絵本みたいな世界観はすんげえ好みだったけども。
サムとスージーの幼い逃避行はもちろん可愛かったけど、特にフレンチ・キスと事後のシーンが好き。キスは舌を使っているのにいやらしくなくて可愛いんだよな不思議と。カーキ・スカウトの制服のハーフパンツが似合ってるんだかないんだかよく分からないウォード隊長や、ブルース・ウィリスがくたびれたおっさんをやってるシャープ警部もいいな。二人とも最初はサムを憐れんでいたけど、最後にはシャープが引き取るということで上手く収まった感はある。良かったんじゃないでしょーかこれで。
しかし動物の死が辛い私には、あんまし必要だとも思えなかったスヌーピーの死にはちょーっと引っかかるものが。
