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『ロンドンゾンビ紀行』感想

街中にゾンビが溢れるロンドンを舞台に、若者と老人たちがそれぞれ奮闘するホラー・コメディ。最近は俊敏なゾンビをよく見てるから、のたのた歩くゾンビは久しぶりに見た気がする。私はせっかちなので俊敏な方が好みなんだけど、鈍足ゾンビもこうして見ると風情(?)があってなかなかいいものだなと。グロもそこそこで楽しい。ギャグは合わなかったけど合う作品のほうが稀なので、まあいつものことです。ただ、兄弟視点と老人ホーム視点で頻繁に変わるのもあってごちゃごちゃしているし、各々の描写も浅く物足りない感はある。主人公兄弟もキャラクターが弱く、物語を引っ張っていくパワーがない。ケイティも有能で格好良かったんだけど、突き抜け切れてはいないのがもったいないな。一方でレイは老人らしからぬ頼もしさやはっちゃけぶりがたいへん良かったので、これならレイを主人公にしたシンプルなストーリーを見てみたかったなと。

でも一番印象に残ったのはアンディでもテリーでもケイティでもレイでもなく、老人ホームの庭で呑気に寝ていたヘミッシュさんが歩行器を使いながらゾンビの集団から危なっかしくのたのた逃げるシーンだった。老人も活躍するこの作品ならではの、イライラではなくハラハラ出来る面白いエピソードだったと思います。あと二階建てバスで突破するところはいかにもロンドンという感じで最高。