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『チャーリーとチョコレート工場』感想

チャーリーとチョコレート工場 (字幕版)

チャーリーとチョコレート工場 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

開始直後からティム・バートン監督らしい思い切った色使いの映像にわくわくしたし(特にチャーリーの父親の職場と制服が好み)、何より工場に入ってからのポップとダークの共存が好みだった。キャラクターもチャーリーやウォンカを始め、全員が極端な造形で分かりやすい。

特に不気味で危ういウォンカはジョニー・デップの演技と声とビジュアルもあって魅力的で、基本的に見学→子供の暴走→制裁→ウンパ・ルンパによるダンス、という流れを繰り返すんだけど、ウォンカのキャラクターが好みだったので最後まで飽きなかった。合間に挿入されるウォンカの過去も、子供のまま大きくなってしまった孤独な男が父親との和解に至るという、感動的なラストに繋がっていくのがいい。

とはいえ制裁はウンパ・ルンパの歌まで含めて結構悪趣味で、『ダンガンロンパ』のお仕置きを思い出したけど悪趣味なものが好きな私はそこも含めて大いに楽しんだ。マイクへの制裁で『サイコ』のシャワーシーンのオマージュがあったのはニヤニヤしたな思わず。チャーリー以外はみんな絵に描いたようなムカつく子供で、可哀想だとは思うけど制裁を見て溜飲も下げてしまい、そうして味わう罪悪感がまた苦くて最高。チャーリーはいい子すぎるけど、演じたフレディ・ハイモアの吸い込まれるような目が綺麗で良かった。

不満はチケットを当てるまでのやたら長い前半で、その上あれだけ引っ張った挙句に拾った金で当選するという、特に意味もなく面白くもない始まりなのがちょっとな。これなら最初の誕生日プレゼントで当選、という形で良かった。でも不満らしい不満はこれくらいで、やっぱり『チャリチョコ』ワールドは楽しかったなと。ティム・バートンの作る世界はそれこそチョコレートみたいにドロドロに甘くて苦いので、原作は読めてないんだけどぴったりな作品だったと思う。