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『アビエイター』感想

大富豪ハワード・ヒューズの波乱に富んだ半生を描く伝記ドラマ。スコセッシ監督らしい三時間の超大作だけど、私にはあまり楽しめなかった。ハワードについてはまったく知らなかったけど強烈なエピソードを多く持つ人だったようで、航空機への情熱、むちゃくちゃな映画制作、派手な女性遍歴、徐々に悪化する強迫性障害など色々詰め込みすぎて散漫になってるよーな。何よりハワード・ヒューズという人間に魅力を感じなかったのが一番痛い。ディカプリオの演技からは熱意を感じたしハワードがとんでもない人だったことも理解できるのに、それでも主人公が面白くない。面白いエピソード自体はいくつかあるのに魅力を感じないのは、見せ方が良くないのか脚本の力不足なのか私には分からなかった。とにかく長い。長すぎるんじゃー。

特に映画に関するエピソードは、もうちょい簡略化しても良かったのでは……。国家予算並みの自費を投入して作ったという『地獄の天使』にまつわる話は確かに強いけど、『アビエイター』という作品に必要な描写とも思えなかった。映倫委員会への斜め上のおっぱいプレゼンは面白かったので、ああいう小話を挟むくらいで良かったよーな。終盤の公聴会での「金を受け取っているのはお互い様」というハワードの反論もカタルシスに欠けるし、わざわざクライマックスに配置するほどでもなかったと思う(というかパンナム側が弱すぎる)。それはそれとして、ブリュースター議員を演じたアラン・アルダは素晴らしかった。嫌な役を嫌な感じに演じて盛り上げようとしてくれる人は印象に残っちゃうなやっぱり。

良かったのは後半の偵察機墜落事故のシーンで、ここはすんげえ迫力があった。無情にも破壊されていくビバリーヒルズの住宅街が悲惨で圧巻。あとキャサリンとのシーンも楽しかったな。というかキャサリンが面白いキャラクターだった。潔癖症のハワードが牛乳瓶をキャサリンと分け合うところは和んだし、キャサリンの実家でのシーンは酷すぎて笑うしかない。ハワードと別れる時に「たかが映画スターだろ?」と言われた時のキャサリンの表情にもぐっと来たし、ケイト・ブランシェットにますます惚れ直した。後半に登場するエヴァも力強く美しい女優で、ファッションも含めて目の保養にもなった。今気づいたけど、ハワードより女優の方が印象に残ってるよーな気がしてきた。ディカプリオ目当てにこの作品を選んだし、彼の渾身の演技を見られはしたんだけどな『アビエイター』。