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『天空の城ラピュタ』感想

超弩級の名作よねやっぱり。無駄なく濃密で美味しいところを詰め込んだような冒険活劇だから、何度見返してもワクワクできる。ジブリのハイクオリティなアニメーション、それに比例するかのような物語の躍動感、きちんと立っているキャラクター、耳に残る久石譲の音楽。まるでエンターテインメントの正解を示し続けるかのような、このすさまじい安定感よー。

パズーは非の打ち所がない少年なのに嫌味がないし、シータも素直な可愛さと勇ましさを備えていて応援したくなるし、ドーラ一家の安定感も最高。ムスカは改めて見るとあまり掘り下げられてないんだけど、目的が明確なのと独特の振る舞いや台詞で強く印象に残る。父の汚名を晴らしつつ冒険心を満たしたいパズーと追われるシータを中心に、お宝を求めるドーラ一家、ラピュタを探す軍、ラピュタ王家の復権を目指すムスカと、それぞれの立ち位置が明確なのも分かりやすくていい。一番好きなシーンは、捕らえられたシータと起動したロボットとの炎の中のやり取りから、ドーラ一家と手を組んだパズーが逆さまにぶら下がりながらすれ違いざまにシータを掻っ攫うところ。ここは子供の頃から見るたび震えるし興奮で涙が零れちゃうんよね。あとボロボロになってもひたすらシータを助けようとするロボットとか、もう誰もいない城で小動物と触れ合ったり墓に花を添えたりしているロボットとか、兵器ではない健気なロボットたちの描写にもロマンが詰まっていてとても好き。

ところで終盤の「三分間待ってやる」のところ、ムスカは甘いなーと子供の時は思ったものだけど、ムスカもこの時に銃が弾切れを起こしてたことに今回の鑑賞でやっと気づいた(もちろんムスカが慢心しがちなところは道中でも描かれているので、それもあると思う)。こういう新たな気づきを得られるし、『ラピュタ』は記憶が薄れたころにまた見るのだろうなと。