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『アラジン』感想

アラジン (字幕版)

実写版を先に見ていてあちらは「ジーニー(というかウィル・スミス)が全部持っていく映画」と認識していたけど、アニメ版もジーニーの存在感が大きかった。特にロビン・ウィリアムズの演技が最高で、ディズニーのいつもの狂ったようなアニメーションクオリティも合わさって破壊力抜群でした。

今回改めて見て、ヒロインではなくプリンスにフォーカスした作品になっていることに気づいたんだけど、アラジンって結構なクズなんですね。盗むことでしか生きていけないとは言ってたけど、アラジンなら働き口は十分ありそうに見えるから同情しにくい。更に嘘をついてしまう弱さも持っている。けどこうした弱さは私も持ち合わせているものだし、そんなアラジンも身分を偽ったことで追い詰められて反省し、ちゃんとジャスミンに向き合おうとする。実写版はジャスミンの成長物語になっていた記憶があるけど、こちらはアラジンの成長物語になっているのが面白い構図でした。そうして金と王位はあるけど自由がないジャスミンと無限の能力はあるけど自由がないジーニーが揃って解放されるので、ジーニーもヒロインと言っていいんじゃないですかね。

ジャファーは分かりやすく邪悪な感じが良かったけど、王様のいい加減なところには結構イラッと来た。よく考えたら王室の歪な法律にも問題があったけど、貧困問題にももっと注力すべきだと思うんだよな(王様を見た感じではジァファーの洗脳のせいだけではなさそう)。

しかし「ホール・ニュー・ワールド」はやっぱり名曲だなと改めて。実写版はやたら画面が暗かったので、アラジンとジャスミンの空飛ぶデートの場面はアニメ版のほうが好きだな。