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『SHERLOCK / シャーロック』Season 3 感想

S3はどのエピソードもかなり面白かった。シャーロックがジョンの影響でより人間らしくなっていくけど、それで面白さは損なわれることなくむしろ更に面白くなっていくし、良質のミステリやサスペンスとしても楽しめた。あと女キャラがみんな魅力的なのも嬉しい。お馴染みのハドソン夫人やモリー、強烈な印象を残したアイリーンに加え、今回から登場するメアリーやジャニーンもすんげえ良かったんよね。総じて満足度の高いドラマを堪能できたので、見終わった後はニコニコ顔になっていた。最高。

一話はしれっと戻ってきたシャーロックにキレ散らかすジョンが最初の見どころであり、特に似合わないヒゲを何度も突っ込まれるジョンが面白かった。二年ぶりだし再会も険悪なものになったとはいえ、捜査中にジョンの幻聴が聞こえるシャーロックは重症だなーとか思ってたら、ジョンも患者をシャーロックの変装だと思い込んでキレてたから「こ、こいつら……」みたいな顔になった。しかしシャーロックはこのことでかなり怒られたのに、ラストの列車の爆弾への対処でまたジョンをからかってたので懲りてないなこの男! それとあのシャーロックに物怖じしないメアリーもいいキャラしてて、一気に好きなキャラクターになりました。ジョンといるともれなくシャーロックもついてくるから、これくらいの人じゃないとジョンの恋人にはなれんよね。一方、シャーロックに想いを寄せていたモリーはちょっと切なかった。でも彼女はここから更に回を追うごとに更に強くなっていくのがいいよね。あとはホームズ兄弟のやり取りも相変わらず楽しかった。私はこの面倒な兄弟がやっぱり好きだな。しかしアンダーソンがシャーロキアンになってるのは謎だった……まあ深くは突っ込むまい。

二話はジョンとメアリーの結婚式が舞台となっており、準備なりスピーチなりでシャーロックの独壇場となっていた。いやもーこれすんげえ面白いじゃん。シャーロックとジョンとメアリーを中心としたドタバタ劇も面白いし、事件そのものも面白いし、スピーチで過去の事件を見せながら挙式当日の事件へと繋げていく構成が良かった。あと事件関係者とのネットでのやり取りや、シャーロックの頭の中での推理を議場で行う演出も面白い。この辺りからシャーロックの頭の中を表現する演出が大胆になっていくのが視覚的にも楽しい。ちなみにお気に入りはメアリーがシャーロックを捜査に連れ出すようジョンにアドバイスして、シャーロックとジョンそれぞれにサムズアップするところ。あれはずるい。事件解決後はシャーロックのジョンとメアリーへの祝辞にほろりと来て、最後は一人で会場から去っていくシャーロックに泣いた。そんなシャーロックの背中に気づいたのがモリーだけだった、てのがまた来るものがあります。素晴らしいエピソードでした。

三話は悪役のマグヌセンが、本当に嫌な人間として描かれていたのが印象的でした。事件の構造もそこまで複雑なものではなくアホな私でも比較的追いやすかったし、特にメアリーの件は衝撃的で目が離せなかった。最初のメアリーとの出会いでシャーロックが観察して「嘘つき」と評していたことはちょっと気になってはいたけど、まさかここまでの事件になるとは……。でもあのシャーロックがメアリーの真意に気づき、ジョンに妻を信じろと諭すところは感動した。彼の成長を感じさせてくれるエピソードだったと思います。あと一話で感じたジョンの危うさがここに来て言及されたことにも満足。いやあ面白かった。