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『サタデー・ナイト・フィーバー』感想

タイトルとキービジュアルなどでお馴染みのトラヴォルタのあのポーズは知っていたので、合わなさそうだなと思いつつ気まぐれで見てみたら思いの外良かった。しかし楽しいミュージカル映画だと思っていたので、鬱屈した日々の中でもがく若者を描いた青春映画だったことには驚いたし、閉塞感の漂う暗い内容になっているのも予想外だった。更にトラヴォルタも足はすんごい長いしダンスも予想以上に上手いしで、こちらも結構な衝撃を受けてしまった。いやまあ確かに『ヘアスプレー』でもキレのあるダンスを披露してたけども。あと楽曲も良かったので、見終わった後にサントラを聞きながら感想を書いてます。

正直、キャラクターは誰一人として感情移入はできなかった。トニーは仲間たちとの狂騒に耽っているし、ステファニーは気取り屋の鬱陶しい女だし、アネットの必死な振る舞いも痛々しい。けどそうした欠点を抱えるキャラクターたちが、何故かみんな嫌いにはなれなかった。トニーも羽目を外す時はあるけど根は真っ当な人だと分かるし、暗い中にも救いの感じられるエンディングに到達するのもいいよね。あの後マンハッタンに引っ越してまた荒れるのか、充実した生活を送れるのか、あるいは更に不幸になっていくのかどうかについては、今後のトニーの努力と運次第なのだろうけども。あと下町のブルックリンと都会のマンハッタンを繋ぐブルックリン橋や、重要なシーンの舞台にもなるヴェラザノ・ナローズ橋など橋が象徴的に使われていたのが印象に残っています。

ダンスに関しては文句無し、と言いたいところだけどステファニーがそこまで上手いとは思えなかったのは残念。コンテストでステファニーと踊った時よりも、トニーがソロで踊っている時の方が断然良かったのが何とも。