『逃亡者』は面白かったけど、スピンオフの『追跡者』は『逃亡者』の焼き直しだな、という印象に止まってしまった。特に今回のジェラードが追う相手を、キンブルと同じく無実の人間にする必要を感じない。逃亡者視点ならともかく追跡者視点の物語なのに、逃亡者が冤罪を晴らすために動いていることを最初から書いてしまうと話に乗りにくい。全体的に間延びしてて緊張感も薄いし、シェリダンの事情も込み入っててややこしい。序盤の飛行機事故は迫力満点だったし、ジェラード一人ではなく連邦保安官局のチームを描いているところはまあまあ良かったと思うけど、どうにも凡庸な印象が拭えねんですよね悪くはないのだけども。
若きRDJの演じるロイスが真犯人だったことも初登場から察せられるんだけど、そのことにジェラードが気づくのが最後の最後ってのもなんかな……。今回のジェラードは前作のようなキレがなく精彩を欠いている印象を受けたけど、ストーリーがもたついているのも原因の一つなのかもしれない。
